子供の歯並びに影響を与える口腔習癖って?その③


こんにちは、とみざわ駅前歯科の大島です。

前回の続きになります。

 

口腔習癖の処置として、心理療法以外にも、複数のアプローチ方法があります。

歯科的な習癖防止処置としては、各習癖に対して、習癖防止装置を作成し、対策する方法があります。

異常嚥下癖や舌突出癖のある子には、タングガードやタングクリブと呼ばれる、舌が前歯よりも前に出ないようにする装置を、上顎に装着します。

吸指癖の子には、フィンガーガードや指サックなど、指をしゃぶる行為が不快になるようなものを指にはめるのが有効です。

咬唇癖や吸唇癖に対しては、オーラルスクリーンと呼ばれる装置を用いることで、唇を咬んだり吸ったりするのを防止することができます。

夜間に歯ぎしりをする子で、大人の歯に生え変わりが終わっている場合には、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着します。

 

 

歯科的な装置の他にも、筋機能訓練と呼ばれる、いわゆる口の筋肉の筋トレを行うことで、異常習癖対策をすることもできます。

口の筋肉の不調和が長期にわたって持続すると、異常嚥下癖や舌突出癖、口呼吸などが起こり、それが原因で上顎前突や開咬などの不正咬合に至ったり、増悪させたりします。

筋機能訓練は、口と顔の筋肉が正常に機能する状態を作り出すことを目的とします。口や顔の筋肉のバランスが悪いと、顎の成長が遅れたり、発達している筋肉が歯を押して、逆に弱い筋肉の方向へ歯がずれて並んだりと、かなり歯並びに影響が出てきます。

腕や脚の筋肉同様、舌の筋肉や顔の筋肉など、各部位に効く筋トレの方法がありますので、それぞれ見ていきたいと思います。

 

①舌の筋機能訓練

舌突出癖や異常嚥下癖に伴う開咬がある子に対して行います。

方法としては、まず正常な舌の位置を教えるところから始めます。

口を閉じた状態で舌の先を上顎につけてもらい、唾液を飲み込む動作を繰り返してもらいます。

このとき、片手で鏡を持ち、もう一方の手で下唇を前方に引くようにすると、本人にも舌突出の様子を確認してもらえます。

 

②口輪筋、口腔周囲筋の筋機能訓練

上顎前突、口呼吸の子は、口腔周囲の筋肉が弱い場合が多いです。唇の筋肉を強くする方法としては、以下の方法があります。

  • 細い紐のついたボタンを唇に挟み、紐を引っ張ることにより、唇の緊張を高める方法。
  • 空気を口の中にためて、唇と前歯の間に力強く押し込んでもらう方法。
  • 管楽器を練習させる。

 

これまで、歯並びに影響を与える口腔習癖にについて、解説していきました。

歯列矯正治療をする前に、口腔習癖を除去したり、筋機能訓練を行うなど、歯並びを改善させるためにできることはありますので、当院に来院された際は、お気軽にご相談ください。