むし歯・歯周病以外の疾患②

こんにちは!
仙台市太白区大野田とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

今回の歯の豆知識ですが、前回に引き続き「むし歯・歯周病以外の歯科疾患」というテーマで説明させていただきます。
いわゆる歯科医院で診る疾患について、すこし稀なものまで説明していきます。

4)嚢胞

からだのなかに生じた病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)といいます。
一般にそのなかには液状の内容物が入っており、ほとんどの嚢胞は、その内側が上皮によって覆われています。

歯科領域では、顎骨内にできる嚢胞と口腔の軟組織に発生する嚢胞があります。
嚢胞はその成り立ちから、歯に関係あるもの(歯原性)と歯に関係ないもの(非歯原性)に分けられます。

顎の中にできるものの半数以上は歯根嚢胞と呼ばれるものです。
根の中の神経は入っていた部分に感染が起こり、炎症を生じ、それを含んだものが嚢胞化してしまったものになります。

治療方法としましては通常の根の治療で治癒することもありますが、大半は切開、嚢胞の除去手術が必要になります。

軟組織にできる嚢胞の代表的なものは粘液嚢胞になります。

原因として口の粘膜を咬んだり、異物が刺さることなどにより、唾液が出てくる管が閉塞して唾液が貯まったり、唾液の出る管が破れて、唾液が漏れだしてその周囲を線維性の薄い組織が取り囲むことにより生じる嚢胞です。

下唇や舌の下面に見られることが多いです。

なお、舌下腺から分泌された唾液が口底部に貯留して生じる粘液嚢胞をラヌーラ(ガマ腫)といいます。

余談ではありますが、僕もできてしまった経験があります。
治療の方法ですが、切除による除去が基本になります。

嚢胞に関しまして、上記の2種類で8,9割を占めるのではないでしょうか?

他によく診るものとして
親知らずの周囲にできる嚢胞があります。
それが含歯性嚢胞と呼ばれるものです。
下顎によくみられます。
歯の原基(歯が発生する組織)の上皮から生じる嚢胞で、その嚢胞腔内に埋伏歯の歯冠を含んでいます。
無症状に経過し、エックス線写真撮影で偶然に発見される場合が多くみられます。
当院でも初診時のレントゲン写真で見つけ、患者さんに説明を行うことがあります。

無症状なことが多いのですが、そのまま放置するとどんどん大きくなります。
となると顎の骨がその分薄くなり、ちょっとした衝撃などが加わった際に骨折したりします。

治療方法としましては、手術により原因の歯と嚢胞の除去になります。
最初に穴を開けて内容物を取り出す開窓法を取ることもあります。