虫歯・歯周病以外の歯科疾患④

こんにちは!

仙台市太白区大野田とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

今回の歯の豆知識ですが、前回に引き続き「むし歯・歯周病以外の歯科疾患」というテーマで説明させていただきます。
いわゆる歯科医院で診る疾患の中でも、虫歯、歯周病以外の稀なものを説明していきます。

5)腫瘍

口腔内にできる腫瘍も大きく分けると良性のものと悪性のものに分けられます。

今回は悪性のものを説明します。

「悪性のもの」

悪性腫瘍は、上皮性のものと非上皮性のものに分けられます。

口腔領域でほとんどは粘膜の上皮から発生する扁平上皮癌です。

【口腔がん】は、さらにそのできる部位によって口唇がん、舌がん、口底がん、歯肉がん、頬粘膜がん、硬口蓋がんなどに分けられます。

舌がんの発生頻度がもっとも高く、口腔がんの約40%を占めます。

そのほかには唾液腺から発生するがんなどもみられます。

以上のように、一口にがんといってもいろいろな場合があります。
しかし、一般的に良性の腫瘍に比べて、悪性の腫瘍には、
・病気の進行が速く、できもの(潰瘍、腫瘤)が速く大きくなる
・できものの周りが硬い
・周囲と癒着していて、境界がはっきりしない
・他の部位に転移する、などの性質があります。

ではその原因ですが・・・

喫煙と飲酒は口腔がんの発症リスクを高めます。
むし歯や合っていない義歯などによる慢性刺激も原因として疑われています。

その症状としては・・・

50歳以上の男性に好発し、発生する部位や進行度により、症状はさまざまです。
がんの表面の特徴から白斑型(白く隆起しています)、肉芽型(ぶつぶつしています)、腫瘤型(こぶのように盛り上がっています)、びらん型(粘膜が剥がれたように見えます)、潰瘍(かいよう)型(深くえぐれています)、などに分けられています。
いずれもみた目に汚く、しこりがあり、ときに出血や痛みを伴います。

病期が進むにつれて咀嚼や嚥下、さらに発音が障害されるほか、口が開けづらくなったりすることもあります。
また、リンパ流に沿って頸部のリンパ節に転移し、リンパ節が腫れたりします。
さらに進行すると、肺、骨、肝臓など他の臓器に転移し、全身的な症状をおこすようになります。
 

その治療方法ですが
がんのできている部位や病期、組織の特徴などを総合的に診断して、治療方針を決めますが、一般的には手術療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法の3つの方法を、単独あるいは組み合わせて治療します。
頸部のリンパ節転移があれば頸部郭清術、また原発巣の切除範囲が大きい場合には他部位からの組織を移植する再建術も行われます。