歯周病と糖尿病の関係って?その1

 

こんにちは、歯科医師の大島です。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

前回までは虫歯についての説明を進めていきましたが、今回からは、歯周病についての説明をしていきたいと思います。

テーマとしては、歯周病と全身疾患との関連についてでいきたいと思います。

 

まず、歯周病は、歯の周りの組織を破壊し、重症化すると、歯が抜けてしまう恐ろしい病気になります。

歯を失う原因として、平成17年の調査では、虫歯で32%、歯周病で43%、破折で11%となっております。

虫歯よりも歯を失うリスクが高い病気なんですね。

 

歯周病は歯についた汚れの中のばい菌の性質や、親から歯周病になりやすさが遺伝したりと、さまざま要因によって罹患率が変わってくるのですが、全身疾患があるかどうかというところにも密接な関連性があります。

歯周病と全身の健康との関連性を追求する分野として、ぺリオドンタルメディシンという医学分野も確立されています。

関連性が報告されている疾患として、Ⅰ型糖尿病、低体重児出産・早産、誤嚥性肺炎、骨粗しょう症や、メタボリックシンドロームが関連する2型糖尿病、動脈硬化・虚血性心疾患などの血管疾患、慢性腎臓病などがあります。

今回はそこから抜粋して、糖尿病と歯周病の関連性について説明していきます。

 

まず糖尿病ですが、血糖値を下げるために分泌されるインスリンが機能しなくなり、高血糖状態が維持される病気でして、合併症として網膜症、腎症、神経障害、末梢血管・大血管障害などが引き起こされ、歯周病は、糖尿病の第6の合併症として提唱されています。

糖尿病は、1型糖尿病2型糖尿病に分類されます。

1型糖尿病は自己免疫疾患の一種でして、元々インスリンを作る機能が無い人が罹患する糖尿病で、全糖尿病の約5%以下になります。

インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンが分泌できない人で、血糖値をコントロールするのに、インスリンを注射しないといけない人がこれにあたります。

残りの95%という大部分が、2型糖尿病の人で、2型糖尿病は、インスリンの分泌は行われるのですが、その出来上がったインスリンを使って血糖値を下げることができない人になります。

1型糖尿病の人は、インスリンさえあれば血糖値を下げることができるのですが、2型糖尿病の人はインスリンがあっても、血糖値を下げることができなくなります

次は、2型糖尿病の原因と、歯周病と糖尿病の関連性について説明していきます。

次回に続きます。