歯科治療と全身疾患⑧

こんにちは!
仙台市太白区大野田とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

さて、今回の歯の豆知識ですが、「歯科治療と全身疾患」について続けて説明させていただきます。

 

12)発達障がい

発達障害とは生まれつき脳機能の障がいがあり、乳幼児期に発達の遅れが生じて、心身の健全な機能を獲得するのが困難となる障がいを総称したものです。
症状の特徴により主に自閉スペクトラム症、注意欠如、多動症(ADHD)、限局性学習症(LD)、知的能力障がいに大別されるものです。

さてお口の中の状態ですが、健常な場合と基本的には代わりありません。
病気の方がもともと歯、歯肉が悪くなりやすいなどがあるわけではないのです。

ただ。口腔清掃状態が不十分であったり食習慣が不規則になりやすいため、多数のむし歯や重度の歯周病になっていることもあります。

実際に治療を行う際の問題ですが、発達障害のある場合、言葉によるコミュニケーションが困難になることがあります。
また、環境変化の適応性が未熟であることも見られます。

どうしても治療が困難な場合は、精神鎮静法や全身麻酔下で治療を行うこともあります。

 

 

13)てんかん

てんかんとは、さまざまな原因によってもたらされる慢性の脳の障害で、てんかん発作を繰り返す病気です。
およそ人口の0.5%から1%にみられます。
80%以上は18歳になる前に発症します。

全身の痙攣や剛直、意識の喪失が代表的な症状です。
意識の喪失を伴わない、あってもごく短時間のもの、感覚や運動に変化がみられたりするものもあり、極めて症状は多様です。

てんかん治療は抗てんかん剤による薬物療法が主流です。

一般的にてんかんのある患者さんへの歯科治療の制限はありません。
発作に留意することが必要です。

むしろ抗てんかん剤の副作用の影響は無視できません。
フェニトインという薬を服用していると歯ぐきが腫れることが多いです。
ただの晴れではなく、歯肉が増殖して盛り上がります。
なかなか根本的な治療はないのですが、きっかけになるのは歯垢であるので、徹底した歯磨きが必要になります。
ただ、現実問題として歯ぐきが腫れるとそのせいで、しっかりとしたブラッシングが困難になることがあります。

場合によっては増殖してしまった歯ぐきを切る手術を行い、またてんかんの治療薬の変更を主治医にお願いする必要もあります。

治療開始前の問診では最近発作が起きた日時、状況、薬の服用状況などをお聞きします。

とても大事なことなので、しっかり伝えてください。