歯周病治療の流れ

みなさん、こんにちは。歯科医師の関です。

2月もまだまだ肌寒いですね。体調崩さないよう気をつけたいものです。

 

さて、今回の豆知識のテーマは、『歯周病の治療の流れ』についてです。

今までの豆知識において、歯周病の成り立ちや、原因、リスクなどについて説明してきましたが、いざ、歯周病になってしまったら、歯周病が進行してしまったら、どのようにして治療を進めていくのか、その流れをお伝えしていきたいと思います。

 

歯周病の原因は、歯周病細菌であり、すなわち細菌とその産生物の塊であるプラーク(歯垢)です。歯を磨かないと溜まる汚れが原因です。

したがって、いかに汚れをきれいに磨くか、汚れが付着しやすい構造・状態を改善するか、磨きやすい環境をつくるかが歯周病治療のキーです。

 

①問診

患者さんのお話しを聞くことで歯周病の病状の把握、歯周病のリスクとなる喫煙・全身疾患の把握、過去の歯周病治療についての把握をします。

 

②診査

これから歯周病治療をしていく上で、必要な情報を様々な検査を行い、調べていきます。

歯周検査(歯茎の深さ、出血、歯の揺れなどを検査)、レントゲン写真検査(直接見えない骨の状態を確認)、口腔内写真検査(歯茎の色味や腫れを写真で記録)などがあります。

 

③診断

検査をもとに歯周病の状態を診断し、治療の計画を考えます。

 

④歯周初期治療

歯周初期治療では、歯磨き指導と非外科的な歯石除去を行います。非外科的とは、歯茎を切開しないということで、よく“歯石とりをしますね”というのは歯周初期治療のフェイズの治療です。歯石は、それ自体は病原性はありませんが、歯周病の原因であるプラークが非常に付着しやすいため、除去しなければなりません。

また、残せない歯の抜歯や不適合補綴物の除去、形態不良歯の修正もこの段階で行います。

 

⑤再評価

最初の診査で行った検査をもう一度行い、治療の成果や反応をみて、その後の治療方針を決定します。

 

⑥歯周外科治療

歯周病の状態が重度な場合は、歯茎を切って外科的に治療をすることがあります。

 

⑦口腔機能回復治療

残せない歯を抜歯した欠損部分や、歯の動揺が残存する部分を補綴治療します。

 

⑧SPT、メインテナンス

治療により歯周病の病状が落ち着いたら、再度歯周病が進行しないように定期的に管理をします。

 

 

以上が、基本的な歯周病治療の流れです。軽度の歯周病では簡単な歯周初期治療の後、スキップしてメインテナンス・SPTに移行し、重度な歯周病では歯周外科治療や口腔機能回復治療などの様々な治療を行っていく必要があります。

また、必要があれば再評価の後に再度前の治療フェイズに後戻りして治療することもあります。

それぞれの治療のフェイズの詳しい説明は次回以降の豆知識にて、していこうと思います。