歯とは何か?

 

 

 

こんにちは、院長の大島です。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

いきなり哲学っぽいタイトルで何なのかといいますと、今回は根本的に歯とはどのようなものなのかを学術的に解説していきたいと思います。

面白くない内容かもしれないですが、興味のある方は是非見ていってください!

 

 

歯というのは、ほとんどの脊椎動物に見出される器官であります。無脊椎動物にも、カタツムリやウニ、ヤツメウナギなどにも歯は存在しますが、これは脊椎動物の歯とは構成成分が違い、貝殻のような炭酸石灰のものや、爪のような角質で作られたものになります。

それでは、ヒトの歯というとその起源は板鰓類(軟骨魚類)、すなわちサメやエイの体表を覆っている鱗に由来したものであるといわれています。サメ肌の一つ一つに、私たちの口の中にある歯がびっしり生えているんですね。サメの歯も、鱗と同じ様式で発生するそうなので、サメの歯が数千本あって、なおかつ毎日のように生え変わるというのも納得ですね。他の脊椎動物では鱗はすでに退化して消失していますが、歯は残されて口に残るようになったのですね。

 

 

 

脊椎動物の歯は硬く、石灰化していて、消化管の玄関である口腔に存在し、食べ物を食べるのに重要な役割をしていますが、爬虫類以下の動物の歯と、哺乳類の歯では、少し役割が異なります。

爬虫類以下の動物達は、ただ単に自分の食べ物となる動物を捕握するだけの役割として歯が機能するので、単純に同じ形のギザギザ尖ったような歯がズラーっと並んでいるような歯並びをしています。咀嚼をしないので、動物の動きを止め、丸のみできれば良いという考えの歯並びですね。これを同形歯性といいます。

これに対して私たち哺乳動物はというと、前歯では食べ物を捕握して、かみ切るのに都合の良い形をとり、奥歯では臼のような形をした歯で食べ物を粉砕したりすり潰すのに都合の良い形に進化したので、一つの口腔内に、いろんな形をした歯が存在する、異形歯性という歯並びを示すように至りました。

哺乳類の中でも、肉食はより肉を引き裂くのに好都合に、草食は草を切り取り、すり潰すのに好都合に、それぞれ適した形や本数に進化しています。我々ヒトやサルなどの霊長類は雑食なので、両方食べるのに適した形をしています。

 

 

歯も進化の過程によって、海から陸へ、食べ物の変化によって、何万年もかけて適した形や数に進化してきたのですね。我々の歯も、狩猟採集民の頃から同じ形態をとっているのだとすると、現代の加工の技術により急激に進化した食べ物の多様性に進化が追い付けず、過度な虫歯や歯周病、歯列不正などが起こってしまうのかもしれないですね。