こんにちは、院長の大島です。
前回は歯とはそもそも何なのか、生物学的な成り立ちを通して説明してまいりました。
哺乳類は異形歯性といって、異なった形の歯が並んでいるような歯並びをしているので、今回は我々ヒトの歯の種類と名称についてお話していけたらと思います。
歯が生えかわることはみなさんご存知だと思います。初めに生える子供の歯を乳歯といい、これに代わって後から生える歯を代生歯といいます。
乳歯が抜けてからそのあとに代生歯が生えるので、乳歯のことを脱落歯とも言ったりします。
乳歯は全部で20本ありますので、代生歯は全部で20本になります。
このほかに、6歳の頃に子供の歯の後ろに大きな歯が1本ずつ生えてきて、12歳の頃と、さらに18~20歳の頃にその後にさらに1本ずつ歯が生えてきます。
これらの歯3本ずつ合計12本の歯は乳歯列の後に付け加わったという意味で加生歯(増加歯)と呼ばれ、生えてから一生、生え変わることが無い歯になります。
この代生歯20本と加生歯12本は生涯機能を営むものであるから、両者を合わせて永久歯と呼びます。
それでは、それぞれの歯の特徴や種類をみていきましょう。
前歯
切歯 これは顎の最前部で正中の両側に2本ずつある歯で、中央の歯を中切歯、その隣にある歯を側切歯とそれぞれ呼びます。
切歯は全部で8本になります。シャベルのような形をしていて、食べ物をかみ切る作用があるので、この名称が付けられています。
犬歯 これは切歯の次に続くランセット形の尖った歯で、上下左右全部で4本あります。俗に「いときりば」と言われているもので、イヌで非常によく発達しているということで、この名前が付けられたといわれています。この歯は他の歯に比べて頭も根も長く、歯槽膿漏になって他の歯が抜け落ちても、最後まで耐えて残ってくれたりする歯になります。
奥歯
小臼歯 小臼歯は犬歯の後ろに続く歯で、全部で8本あります。
その形と作用が臼に似ているところから付けられた名前になります。手前の小臼歯を第一小臼歯と呼び、奥の小臼歯を第二小臼歯と呼びます。
大臼歯 これは小臼歯の後ろに続く歯で、前述の加生歯の12本にあたります。口の中で一番大きい歯になりますね。手前から6歳で生える第一大臼歯、12歳で生える第二大臼歯、18~20歳で生える第三大臼歯になります。第三大臼歯はいわゆる「親知らず」と呼ばれるもので、智歯とも名づけられています。第三大臼歯は顎の成長によっては、かみ合わなかったり、横に生えてきたりもするので、その場合は抜歯する場合があります。
同じ歯でもこれだけ種類があるんですね。
自分の口の中を鏡でみて、それぞれの歯の形をよく見るのも面白いかもしれませんよ。