こんにちは、とみざわ駅前歯科の大島です。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回のテーマは歯周病予防を目的とした歯ブラシについてです。
歯ブラシについては、歯医者や衛生士によって、それぞれ言うことが違ったりして、混乱する患者さんも多いと思います。
ですので今回は、科学的知見から得られた、正しい歯ブラシの方法を解説していきたいと思います。
歯ブラシの仕方がわからず困っている方は、ぜひ読んでいただければ幸いです。
それではいきましょう。
まず前提として、なぜ歯周病が発症するのかというものを説明したもので、2012年に発表された論文に、キーストーン病原体仮説というものがあります。
歯周病を引き起こす細菌は、常に口の中に存在する常在菌であり、外からやってくるものではありません。
それにも関わらず、歯周病が発症しないのは、ヒトには免疫力があり、歯周病原菌に対し抵抗し、平衡状態になることで、発症を間逃れることができるのです。
しかし、歯磨きをせずにいると、歯垢と呼ばれている、細菌の塊であるプラークが口の中で増えると、平衡状態が崩壊します。
平衡状態が崩壊すると、キーストーン病原体というものが出現し、これが免疫機能を阻害します。
すると、どんどん毒性の強い歯周病原菌が増殖し、それに対して免疫反応も強くなっていくことで、炎症が増加し、最終的に歯を支える骨を溶かしていくというわけですね。
これをキーストーン病原体仮説といい、現在歯周病の発症の原因として考えられているものになります。
前置きが長くなりましたが、ここから歯ブラシを含めた、プラークコントロールについて説明したいと思います。
まず、歯磨きの頻度についてになります。
歯磨きの頻度について研究した有名な論文がありまして、1973年にLangが行った実験になります。
歯学部性を対象とした研究で、口腔清掃を1日に2回、2日に1回、3日に1回、4日に1回を行った群でプラーク指数、歯肉炎指数を評価しました。
実験の結果、適切な口腔清掃が行われれば、2日に1回の口腔清掃で歯肉の健康を維持することができ、3日に1回、4日に1回の口腔清掃では歯肉炎を発症したという結果が得られました。
この結果から、「じゃあ2日に1回歯ブラシすればいいんじゃん!!」って喜んだ人もいるかもしれないですが、この実験には見落としてはいけない落とし穴があります。
それについては、次回の記事にて解説していきます。
次回へ続きます。