歯ブラシについて科学的に考えよう③

 

 

こんにちは、とみざわ駅前歯科の大島です。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

前回までは、歯磨きの回数や、ブラシの交換時期などを、論文を踏まえて説明してきました。

今回は、フロスや歯磨き粉、洗口剤などの口腔清掃の補助となる道具について、科学的に掘り下げていこうと思います。

 

まず、デンタルフロスについて説明したいと思います。

デンタルフロスの有効性については、1989年Gravesの研究があります。

これは、隣接面出血を有する119名を対象にした研究でして、隣接面とは、歯と歯の間のことで、ここに歯肉炎がある人を対象にしているというわけですね。

被検者は1日2回の歯ブラシに加え、フロスを使用して隣接面を清掃した群とそうでない群に分類しました。

その結果、フロス使用群では歯ブラシのみの群に比べて隣接面出血の減少に関して2倍の効果が認められたというデータを得られました。

ただしこの研究は、検者によるフロス使用に関する指導が毎日あるという前提条件の下で行われた研究なので、以前の記事で説明した論文同様、一般の方だと再現性が低いデータになっております。

2006年Schiffの研究で、114名を対象に歯ブラシ1日2回+1日1回のフロスあり、なしを比較していますが、この研究では統計的に有意差は認められなかったという結果が出ています。

フロスは扱いが非常に難しいので、正しく使えれば、歯肉炎の予防に一役買うものであるということがわかりました。

 

次に、フロスを先にやった方が良いのか、歯ブラシを先にやった方が良いのかという疑問に答える論文を紹介します。

2017年Mazhariの研究になります。25人の歯学部生を対象にした研究で、フロスから先にやる群と歯ブラシから先にやる群で比較したところ、フロスから先の群でより効果的な隣接面のプラーク除去、隣接面のフッ素濃度の上昇を認めました。

この結果から考察されることは、フロスを先に行うことで、隣接面の汚れが押し出され、その汚れを後から歯ブラシによって効果的に除去できるからだと考えられます。更に、歯ブラシの後にうがいをすることにより、口のなかに残った汚れを洗い流すのに有効です。

 

歯ブラシとフロス、どっちが先にやれば良いんだろう?と誰しもが疑問に思うようなことが、2017年と最近の研究で明らかになったということが面白いですよね。

今回は、フロスについての解説を進めてまいりました。

次回も洗口剤などの歯面清掃の道具にについて、論文ベースに解説していきたいと思います。

次回へ続きます。