富沢駅・仙台市太白区の歯医者|とみざわ駅前歯科

インプラント治療を受けることができない人の全身疾患って?②

 

 

こんにちは、とみざわ駅前歯科、歯科医師の大島です。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今回は、前回の続きになります。

 

インプラント治療を進める上で、特に多くの患者さんの持つリスクファクターについて解説していきます。

 

まず、インプラント治療で問題となってくるものとして、糖尿病があります。

糖尿病の患者さんは、口腔内の免疫機能を低下させて炎症反応を増強し、骨芽細胞の分化・基質合成にネガティブに働き、破骨細胞の分化・基質合成にポジティブに働きます。

骨はリモデリングといって、常に古くなった骨を壊し(破骨細胞の作用)、新しい骨を作る(骨芽細胞の作用)を繰り返し行っています。

つまり、壊す方が有意になるということは、歯を支えている歯槽骨の吸収を増加させるといった、口腔感染を増悪させるリスクを持っています。

インプラント治療を行う際は、HbA1c(1~2ヵ月の血糖値の平均が反映)が正常範囲にコントロールされている患者さんに適応すべきであり、代謝コントロールが十分ではない患者さんに対してのインプラント治療はリスクになります。

Tawilらの論文では、周術期においてHbA1cが平均7.2%以下にコントロールされている患者さんににおけるインプラント生存率は、健常者と同じくらい良好であり、インプラントの生存率は患者さんの年齢、性別、糖尿病罹患歴、喫煙習慣の影響は受けないと報告しているものもあります。

したがって、糖尿病の患者さんは、HbA1cが最低7.2%までコントロールされていることが重要ですが、日本歯周病学会(2008)、日本糖尿病学会ガイドライン(2010)が示す6.5%のレベルまでのコントロールが推奨されています。

 

次に、リスクとして頻度が高いのは、喫煙になります。

Collaert(1994),Lemmerman(2005),Strietzel(2007)は、喫煙者の場合、非喫煙者と比較してインプラントの失敗と周囲骨の吸収率が高いと述べています。

しかし、喫煙単独より、むしろ歯周炎患者での喫煙がより問題となっています。

歯周炎既往の患者さんと非既往の患者さんでのインプラント治療の成功について調査したKaroussis(2003),Roccuzzo(2010),Matarasso(2010)などの文献では、いずれも歯周炎既往の患者さんのインプラントの生存率は低く、生物学的問題の出現が顕著であったと述べられています。

また、Marcoら(2010)による、喫煙者において歯周治療歴がある人と無い人でのインプラント埋入から10年後の骨吸収率を詳細に比較した論文では、歯周治療歴のある患者さんのインプラントの生存率は85%、健全な歯周組織の患者さんの場合は95%で、10年後に3mm以上の骨吸収が生じた割合は、前者で75%、後者で20%でした。

したがって、糖尿病と喫煙・歯周病をまずコントロールすることができれば、インプラント治療の成績はより向上するということになります。

 

最後にBP製剤の投与を受けている患者さんになります。

BP製剤とは、骨粗鬆症の患者さんに投与される治療薬で、外科処置など顎骨に刺激が加わる治療を行った場合、顎骨壊死が起こる可能性があります。

したがって、インプラント治療の場合も厳重な管理が必要であり、注射用BP製剤の投与を受けている患者さんのインプラント治療はできるだけ避けた方が良いものになります。

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