
こんにちは、とみざわ駅前歯科の大島です。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回は、前回の続きになります。
歯の硬組織の吸収に伴い、吸収面には分解された硬組織の組織残渣や変性した細胞成分が残存します。
破歯細胞が硬組織を分解した後に出る食べかすみたいなものですね。
これらの食べかすは生体にとっては異物と認識されるので、その除去は吸収部付近の組織中に多く含まれるマクロファージによって行われます。
マクロファージは、白血球の1種で生体内の掃除屋として働いてくれる免疫細胞です。
歯根吸収の状況によっては、白血球も浸出します(特に吸収の晩期に感染が生じた場合)。
また、軟組織である歯髄や歯根膜中のコラーゲン線維の吸収・分解は、繊維芽細胞によって行われます。
歯根吸収は一方的には進行せず、顎骨の成長や歯根吸収などによって乳歯根に加わる圧力が緩和されると、一時的に歯根吸収が停止します。この時には吸収部付近の組織中の細胞からセメント芽細胞と呼ばれる細胞が分化し、歯根表面に出現し、セメント質形成によって吸収面を修復します。
しかし、セメント質形成がある程度進行すると、再び歯根吸収が活発に始まり、最終的には乳歯の脱落に至ります。
乳歯が脱落すると、次は永久歯の萌出に入っていきます。
歯の萌出は、便宜的に3つの時期あるいは段階に分けられています。
- 萌出前期
- 萌出期
- 機能的萌出期
の三段階になります。
萌出前期は、萌出に至る前の歯の位置変化になります。
これは歯胚の成長に伴って、歯槽骨内で歯胚の位置が変化し、移動する時期になります。
歯胚の歯根形成が進むにつれて、歯胚の中心は萌出したい方向へ移動していきます。
萌出期は、歯胚の形成に伴って、歯が顎骨と口腔粘膜を通って実際に口腔内に出現して機能するまでの、主として長軸方向(咬合方向)での位置変化になります。
この時期に歯胚の歯根形成から上顎と下顎の歯が接触するまでの成長と移動が行われます。
前機能的萌出期とも呼ばれます。
最後の段階である機能的萌出期では、顎骨の成長と歯の接触による咬耗や摩耗に伴って、緩やかに歯が移動します。
しかし、このような分類は歯の萌出という現象を系統的に理解するための手段にすぎず、萌出そのものは連続的かつ持続的に起こる現象です。
歯がすり減ると、それを補填するように歯の移動は続きますので、例えば虫歯や歯周病で歯を失った場合、その空いたスペースを埋めるように歯が移動していくことになります。