口腔乾燥①

こんにちは!仙台市太白区大野田、とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

 

今回の『歯の豆知識』、お口の乾きについて説明させていただきます。

 

お口の乾き、口腔乾燥症は、唾液分泌量の減少による口腔内の乾燥を示すものです。

具体的な症状として・・・

口が渇く、ねばねばする、しゃべりにくい、飲みこみにくい、味がわかりにくい、口の中や舌が痛い、ひりひりする、汚れやすい、口が臭い、入れ歯が装着しにくいなどが挙げられます。
口臭が強くなることもあります。

そしてその原因として考えられるのは

(1)唾液腺の萎縮からくるもの(大きな要因として加齢、他にはシェ−グレン症候群などの慢性の萎縮性唾液腺炎、頭頚部の放射線治療の影響など)

急激に唾液が出なくなり、痛みがある場合は唾液腺などの疾患が考えられます。

放射線治療ではがん細胞のみならず健康な細胞へも大きな影響があるため、唾液腺の機能が一時的に大きく低下します。

※シェ−グレン症候群とは涙腺などの外分泌腺が萎縮し、口と目が乾燥する自己免疫疾患です。
自己免疫応答が関わると考えられるが、その直接的な原因は不明とされています。
遺伝的要素、環境要素、性ホルモンの影響なども関わると考えられているようです。

(2)服用している薬の影響(唾液分泌を抑制する副作用のある薬の内服)

抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などが代表的です。

(3)全身性代謝疾患(熱性疾患、脱水症、下痢、糖尿病、尿崩症など)

(4)神経性のもの(顔面・舌咽神経の障害、極度のストレス、自律神経障害など)

があります。

治療法としては基本的には根本的な治療は難しく、対症療法が中心になります。

唾液腺のマッサージ、人工唾液、保湿を心がけたり・・

飲んでいる薬の影響が考えられる場合、唾液分泌を促す薬の服用(漢方を含む)などがあります。

そして口の乾きに対し、我々歯科医師が直面する問題とは?

やはり、第一に虫歯、歯周病なのです。

唾液によるお口の中の自浄作用(ひとりでに汚れを除去する作用のこと)は大きいのです。

簡単に言えば、唾液によって歯の表面についた細菌が洗い流されるのです。

ですので口の中が乾く、つまり唾液が少なくなると、唾液によって歯の表面に細菌が多く付着しやすくなり、そのため虫歯ができやすくなります。

また、同様に乾燥によって、歯周病の細菌、歯垢の沈着が起こりやすくなり、を悪化させる原因になります。

また、義歯の装着障害が挙げられます。

次回、お口の乾燥と義歯の装着について説明させていただきます。