歯垢や歯石のおはなし

こんにちは。歯科衛生士の水野です。

12月に入り、寒い日が続いております。

雪が降る日もあって、これからますます冷え込みますね。そんな時こそ、感染症にならないためにもお口の中から環境を整え、予防をしていく事が大切になっています!

そのためには定期的に歯医者さんでクリーニングをし、細菌の塊の歯垢や歯石を取り、口腔内を清潔に保つことがとても重要になってきます!

歯の汚れは2種類あり「歯垢」と「歯石」に分けることができます。

歯垢とは口のなかの細菌の集合体で、別名「プラーク」ともよばれ、ネバッとしたやわらかい汚れであり、歯垢の段階であれば歯ブラシなど普段のセルフケアで除去ができます。

歯石とは、歯垢が石のようにかたまってしまい、歯の表面にザラザラとこびりついている汚れのことを指します。歯垢が歯石に変化するのはだ液のなかの成分であるカルシウム・リンが、歯垢に付着して石灰化すると言われています。

歯石の状態になると、歯ブラシでは除去できませんので歯医者さんで歯石除去をおこなわないと、基本的には取れません。

歯石にも種類があり、2種類に分類されます。

1つ目は、歯ぐきの上についている歯石「歯肉縁上歯石

2つ目は、歯周ポケット内にある歯石「歯肉縁下歯石

です。

 

◎縁上歯石の特徴◎

・黄白色、灰白色

・プラーク(歯垢)が原因

・唾液によって石灰化する

・縁下歯石に比べると量が多く、形成が速い

・縁下歯石より軟らかく、比較的簡単に除去できる

・歯肉炎の原因になる

 

◎縁下歯石の特徴◎

・黒褐色

・歯肉からの出血が原因

・歯肉溝滲出液が石灰化に強く関与

・縁上歯石に比べると量は多くない

・縁上歯石よりかなり硬く、除去が困難

・歯周病の原因になる

 

歯石には歯周病菌が大量に付着しているため、

虫歯や歯周病になる恐れがあります。

虫歯や歯周病を防ぐためには歯石を除去する必要があります。

そのため定期的に歯科医院を受診して機械的に歯石を取ってもらうことが大切です。

 

では、どんな風に歯石の除去を行うのか。

①スケーリング

②ルートプレーニング(SRP

③フラップ手術(歯周外科手術)

 

スケーリングとは歯石を取り除く一般的な処置のこと。ハンドスケーラーや超音波スケーラーと呼ばれる歯科用の器具を用いて縁上歯石を除去します。

ルートプレーニング(SRPは歯周ポケットの奥深くにある歯石を除去する処置です。歯石を取るほか、歯周病菌に汚染された歯のセメント質を除去して歯根の表面を滑沢にします。

フラップ手術は歯石を取り除く外科手術のことで、ルートプレーニングなどを行っても歯肉の状態が改善されない場合に行われます。フラップ手術は歯肉を切開し、歯周ポケットの奥にある歯石を直接取り除く治療法なので、歯石を徹底的に取り除くことが可能です。

 

歯石は毎日丁寧に歯を磨いていれば付着しにくくなります。しかし、歯石の付着を完全に防ぐことは困難なので、定期的に歯石除去を行いましょう。