口腔機能と歯並び・かみ合わせとの関係

 

 

 

こんにちは、とみざわ駅前歯科、歯科医師の大島です。

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

今回は、口腔機能と歯並び・かみ合わせとの関係について解説していきます。

 

私たちの口は、「食べる」「飲み込む」「話す」などをはじめ日常生活を営むうえで大切な役割を担っています。

その機能は、歯並びの良し悪しや咬み合わせとも深い関係があります。

 

口腔機能とは、お口が担っている役割のことで、このうちもっとも重要なのは「食べる」ことや「飲み込む」こと、「話す」ことです。

つまり「咀嚼」「嚥下」「発音」です。

咀嚼や嚥下に問題があると、口から食べ物を取り入れることが困難になるだけでなく、肺に食べ物が誤って入ってしまうことによって「誤嚥性肺炎」という生命に関わる病気をおこすこともあります。また、発音に問題があると、言葉が通じにくいために自分の意思が伝わりにくくなります。

このように、口腔機能は日常生活を営むうえで大切な役割を担っているのです。

他にも、「呼吸する」「感情を表す」「味を感じる」、唾液を分泌して「免疫や消化を助ける」、噛むことで「脳を刺激する」「身体の平衡感覚を保つ」なども、お口のもつ重要な役割です。

これらの機能のうち1つでも問題が生じると、やはり日常生活に影響があります。

 

歯並びの良し悪しや咬み合わせにも関係します。

歯は唇や頬、舌などの筋肉に取り囲まれていて、外側からは口唇や頬が、内側からは舌が、それぞれ歯に圧力を与えています。

いつも口唇が開き、舌が上下の歯の間からはみ出している状態では、その圧力のバランスが崩れて、歯並びや咬み合わせに影響が生じます。特に、前歯が咬まない状態(開咬)や歯と歯の間に隙間がある状態(空隙歯列)などの「不正咬合」は、口腔機能との関連性が深く、このような歯科と関連した口腔機能の問題は「口腔筋機能障害」と呼ばれています。

 

口腔機能の問題を改善するために、MFT(口腔筋機能療法)を行います。

歯は、舌・唇・頬などの「口腔周囲筋」からたえず圧力(筋圧)を受けています。

「食べる」「飲み込む」「発音する」「呼吸する」など、お口と関連した機能に問題があると、歯にかかる筋圧のバランスが崩れてしまいます。

そして、歯は正しい位置を保つことができなくなり、不正咬合や矯正治療の後戻りの原因になります。

口腔周囲筋を訓練することにより、筋圧のバランスを改善して、正しい歯並びを維持するための環境を整えることが、MFTの主な目的です。

 

訓練には、口唇の訓練として、口唇を伸ばす訓練、口唇力の強化訓練、口唇の柔軟性を養う訓練などがあります。

また、舌の訓練としては、舌の筋肉を鍛える訓練、舌の挙上力や運動性を高める訓練などがあります。