口腔ケアとは

こんにちは。歯科衛生士の水野です。

11月に入り、すっかり寒くなってきました。

今回は、9月の記事『誤嚥性肺炎の予防について』の続きです。

様々な効果が期待できる口腔ケア、いったい何をすればいいのか、お話しさせていただきますね。

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口腔ケアを日々行うことは、健康に生きるうえでとても大切なことです。

高齢者や要介護者の口腔ケアは、様々な病気の予防にもつながる非常に重要なことです。

周りの方にも大きなメリットをもたらします。

要介護者のお世話をする介護者の方は、日々の介護に追われ、お口の中の異変に気づいた頃には、かなり悪化していることが少なくありません。

口腔ケアをすることにより、介護の量が軽減される口腔ケアは介護を受ける側だけでなく、介護をする側にとっても大きなメリットをもたらします。

 

口腔ケアには、お口をきれいにするケア=「器質的口腔ケア」と、お口の機能を高めるケア=「機能的口腔ケア」があります。

 

◎器質的口腔ケア◎

うがいや歯磨き、義歯や舌の清掃などで口の中にある歯垢や食べかすをきれいに取り除きます。口の中の汚れは歯だけでなく、歯茎や舌、頬の内側にもついていて、その中に多くの細菌が繁殖しています。口の中の細菌は歯周病や誤嚥性肺炎などにつながる恐れもあるので普段から口の中を清潔にしておくことが大切です。

◎機能的口腔ケア◎

口の中や口周りのマッサージ、飲み込む力を鍛えるトレーニングやリハビリなどがあります。体の筋肉と同じように口の筋肉も鍛えなければ衰えてしまいますので器質的口腔ケアと並行して継続的に行うことが大切です。

 

💡介護での口腔ケアのポイント💡

ポイント1:できることは本人に任せる。

何でも手伝うのではなく、本人ができることは自力でやってもらうようにしましょう。例えば、歯磨きは手指を動かすので良いリハビリになります。できる限り自力で磨けるよう、使いやすい歯ブラシを準備しましょう。仕上げ磨きや磨き残しなどの最終チェックは介護者が行いましょう。

 

ポイント2:短時間で済ませる

口の中を見られることへの抵抗や、他人に歯を磨いてもらうことを不快に感じる場合もあるため、口腔ケアはできるだけ短時間で済ませましょう。高齢者の口の中は乾燥しやすく、違和感を感じやすくなっています。決して無理強いせず、口腔ケアの重要性を理解してもらい手際よく行いましょう。開始前に必要な用具一式を揃えて近くに置いておけば、無駄なくスムーズに行えます。

 

ポイント3:安全な姿勢で行う

安全で無理のない姿勢で行いましょう。あごを上げたまま口腔ケアを行うと水や唾液が気管に流れて誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。あごをしっかり引いてうつむき加減の姿勢をとることが大切です。ベッドなどで行うときは、最低でも30度ほど上体を起こして後頭部に枕を入れるなど安全な姿勢を整えましょう。

 

ポイント4:口の中の状態をチェックする

口腔ケアを行いながら、口の中の健康状態を観察しましょう。汚れや食べかすが残っていないか、虫歯や歯茎の腫れ、出血、口臭などを日頃からチェックしておくことで口腔内トラブルの早期発見につながります。何か異常があればすぐに歯科医、歯科衛生士に相談しましょう。