全身と歯周病

こんにちは。
吉岡です。

本題にいきなりですが、入ります!
歯を無くしてしまう直接の1番の原因は、歯周病です。
歯周病が糖尿病との関連があるのは、最近よく知られてきました。
それ以外にも、関連があります。

①骨粗鬆症
骨折などしやすくなる骨の病気です。
大半が女性です。
歯の周囲の歯槽骨の減少量は、骨粗鬆症患者は有意に大きいと研究で報告されています。インプラント治療や入れ歯の具合に大きく関わります。
最近では、カルシウム摂取量が歯周病と関連づけられたりなどあります。
骨粗鬆症、カルシウム不足で直接 歯周病を引き起こすわけではないですが、悪化させる可能性はあります。

②メタボリック症候群
まず診断には、以下の項目があります。
1:腹部肥満  
ウエストサイズ 男性85cm以上 女性90cm以上
2:中性脂肪値
・HDLコレステロール値 中性脂肪値 150mg ⁄ dl以上
HDLコレステロール値 40mg ⁄ dl未満
(いずれか、または両方)
3:血圧 収縮期血圧(最高血圧) 130mmHg以上
拡張期血圧(最低血圧)  85mmHg以上
(いずれか、または両方)
4:血糖値 空腹時血糖値 110mg ⁄ dl以上

ウエストサイズが基準値をオーバーし、以下の項目のうち、2つ以上が当てはまれば、メタボリック症候群となります。予備軍にも気をつけなければなりません。
肥満の指標(BMI、体脂肪率、ウエスト/ヒップ比)と歯周病の指標(CPI)との関連では、肥満のいずれの指標においても大きいほど深いポケットを有する人の割合が多いことが明らかになっています。
4年間のコホート研究では深い歯周ポケットを有する人は健常者に比べてメタボリック症候群の発症リスクが高いことが明らかになりました。
歯周病予防はメタボリック症候群の予防にも関わってるのかもしれません。

③早産、低体重児出産
早産とは、妊娠期間の正常な37〜41週より短い22〜36週で産まれることです。
低出生体重児は2500g未満の新生児です。中等度の歯周病に罹患した妊婦は健康な妊婦より早期低出生体重児出産率が7.5倍高いというアメリカの報告が最初です。(1996年)
その後、歯周病の妊婦に治療を行うとそのリスクは減少したとのことです。原因のメカニズムは二つほど考えられるそうですが、難しい話になりそうなので省略します。
現在の研究では、中等度以上の歯周病の妊婦は3倍の早産、低出生体重児率と報告されているようです。

この他にも全身に歯周病は関わりがありますし、これから分かってくる研究結果が歯科界を大きく変え、予防できるようになるでしょうね。
今日はこの辺でおしまいにします。