鎮痛剤

歯科医院で使用される鎮痛剤(痛み止め)と胃薬(胃を保護する薬)の関係について説明します。

鎮痛剤
歯科でよく使われる鎮痛剤には、以下のようなものがあります。

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
イブプロフェンやナプロキセンなど。痛みや炎症を抑える効果があります。

・アセトアミノフェン
痛みを和らげる効果がありますが、抗炎症作用はありません。

胃薬
NSAIDsは胃粘膜を刺激し、胃痛や胃潰瘍を引き起こす可能性があります。このため、長期間の使用や高用量での使用が必要な場合、胃を保護する薬を一緒に処方されることがあります。代表的な胃薬には以下のようなものがあります。

・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
オメプラゾールやランソプラゾールなど。胃酸の分泌を抑制します。

・ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)ファモチジンやラニチジンなど。胃酸の分泌を減少させます。

鎮痛剤と胃薬の関係
NSAIDsを服用する際に胃薬を併用する理由は、以下の通りです。

・胃の保護
NSAIDsが原因で起こる胃の副作用(胃痛、胃炎、胃潰瘍など)を予防するため。

・継続的な鎮痛
胃に負担がかかることなく、鎮痛剤を効果的に使用するため。

例えば、抜歯後や歯の治療後に処方されるNSAIDsとともに、胃を保護するためにPPIやH2ブロッカーが処方されることがあります。

歯の痛みを我慢するとどうなる?
歯の痛みを我慢すると、以下のような問題が生じる可能性があります。

・痛みの悪化
痛みの原因が治療されないと、痛みがさらに悪化する可能性があります。

・感染の拡大
歯の痛みは虫歯や歯周病などの感染が原因であることが多いです。我慢することで感染が拡大し、他の歯や歯茎、さらには顎の骨にまで広がることがあります。

・深刻な合併症
歯の感染が放置されると、顔や首に膿瘍(膿の溜まり)ができたり、全身に広がる可能性があります。重篤な場合、命に関わることもあります。

・治療が困難に
痛みを我慢している間に症状が進行すると、治療が複雑になり、治療期間が長引いたり、治療費が高くなることがあります。

・全身の健康への影響
口腔内の健康状態は全身の健康に影響を与えます。例えば、歯周病は心血管疾患や糖尿病と関連があるとされています。

まとめ
歯科治療後の痛みを和らげるためにNSAIDsが処方されることが多いですが、これらの薬は胃に負担をかける可能性があるため、必要に応じて胃薬が併用されることがあります。痛みを我慢して鎮痛剤を過剰に内服すると、上記以外にも胃潰瘍や胃穿孔などの恐れがあります。歯の痛みは我慢せずに早期に歯科医院を受診しましょう。また、歯科医師の指示に従って適切に薬を使用し、副作用を最小限に抑えることが重要です。