こんにちは吉岡です。
~妊娠中の栄養とお口の健康について~
10月がおわり、木々の葉も色づき、朝晩の冷え込みに冬の訪れを感じる季節となりました。気がつけば今年も残り2か月。年末に向けて少しずつ慌ただしくなる時期ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
寒さが増してくるこの季節は、体調管理にも気を配りたいものですね。特に妊娠中のお母さんにとっては、ご自身の健康はもちろん、お腹の赤ちゃんの成長も気になることと思います。
そこで今回は、意外と知られていない「赤ちゃんの歯が作られる時期」と、妊娠中の栄養やお口の健康についてお話ししたいと思います。
赤ちゃんの小さな歯が、いつ頃から作られ始めるのかご存じでしょうか。
生後6か月頃になると、かわいらしい乳歯が少しずつ顔を出し始めますが、実はそのずっと前、お母さんのお腹の中にいる頃から、赤ちゃんの歯は作られ始めています。
なんと、妊娠6~8週頃には、乳歯のもととなる「歯胚(しはい)」が形成され始めるのです。
妊娠初期といえば、まだお腹のふくらみも目立たず、お母さん自身も妊娠に気づいたばかりという時期かもしれません。そんな小さな命の中で、すでに歯を作る準備が始まっていると思うと、生命の神秘を感じますね。
その後、妊娠10~12週頃には歯の形を作る組織が発達し、14~16週頃になるとエナメル質や象牙質といった歯の硬い組織が作られ始めます。妊娠20週頃には石灰化も進み、赤ちゃんの歯はお腹の中で少しずつ成長を続けていきます。
では、そんな赤ちゃんの歯を健やかに育てるために、お母さんができることは何でしょうか。
その一つが、毎日の食事です。
歯を作るためには、カルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンD、歯の組織を作るために必要なたんぱく質、さらにビタミンAやビタミンCなど、さまざまな栄養素が関わっています。
牛乳やヨーグルト、小魚、大豆製品、魚、肉、卵、野菜などをバランスよく食べることが、お母さん自身の健康を支え、赤ちゃんの成長にもつながります。
これからの季節は、温かいお鍋や具だくさんのスープなど、さまざまな食材を取り入れやすい料理もおすすめです。身体を温めながら、無理なく栄養を摂れるといいですね。
ただ、妊娠初期はつわりなどで思うように食事ができないこともあります。そんなときは無理をせず、食べられるものを少しずつ取り入れていきましょう。食事について心配なことがあれば、産婦人科で相談することも大切です。
そして、もう一つ忘れてほしくないのが、お母さん自身のお口の健康です。
妊娠中はホルモンバランスの変化によって歯ぐきに炎症が起こりやすくなり、歯磨きのときに出血したり、歯ぐきが腫れたりすることがあります。これは「妊娠性歯肉炎」と呼ばれるもので、妊娠中によくみられるお口のトラブルの一つです。
また、つわりで歯ブラシを口に入れることがつらくなったり、食事の回数が増えたりすることで、むし歯のリスクも高くなりがちです。
「妊娠中は歯医者さんに行かないほうがいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、妊娠中でも歯科健診や必要な歯科治療を受けることはできます。特に体調が安定しやすい妊娠中期は、お口の状態を確認し、必要なケアを受けるよい機会です。
つわりが強いときは、無理に歯磨きをしようとせず、体調のよい時間帯に磨いたり、小さめの歯ブラシを使ったりするのもよいでしょう。フッ化物配合歯磨き剤を使った毎日のケアに加えて、歯科医院での定期的なチェックもおすすめします。