こんにちは
吉岡です。
今日は敗血症です。
敗血症とは、なんらかの感染症を起こしている細菌が増殖し炎症を起こすことで、臓器に障害が発生し臓器不全が引き起こされる状態です。
感染症とは、病原体(細菌やウイルス、カビなど)が体内に侵入することを言い、病原体が侵入すると、私たちの体は防御反応を起こして、微生物を退治し感染症を治そうとしますが、免疫機能が低下している場合などの際は、防御反応がコントロールできなくなり、自分自身の体の臓器(心臓、肺、腎臓など)が障害を受けることがあります。 原因となる病原体を調べ、治療をしなければ、生命に関わる危険を及ぼす場合もある病気です。
どんな感染症でも敗血症を起こす要因になる可能性があり、特に、免疫力がまだついていない乳幼児や、免疫力が下がっている高齢者、心臓病・尿病や透析をしている方など慢性疾患、がんで抗がん剤治療やステロイド治療など免疫抑制剤治療中をされて免疫力が低下している基礎疾患がある人は、防御反応がコントロールできない状態になりやすいため、感染症から敗血症を起こすリスクが高くなります。また、敗血症を引き起こすと集中治療室(ICU)での専門的な治療が必要となります。
今回は、敗血症と歯科治療についてお話ししたいと思います。
口腔内感染源:
口腔内には多くの細菌が存在しており、特に重度の歯周病や根尖病巣、感染した親知らずなどがある場合、それらが全身に感染を引き起こすリスクがあります。これが敗血症の原因となることがあります。
抜歯や手術後の感染リスク:
歯の抜歯やインプラント手術などの歯科手術後に適切な衛生管理や抗生物質の予防投与が行われない場合、感染が拡大し、敗血症を引き起こす可能性があります。
免疫抑制状態の患者:
糖尿病や癌治療、あるいは免疫抑制剤を使用している患者では、感染リスクが高まるため、口腔内感染が敗血症に発展する可能性が高くなります。こうした患者に対しては、特に注意が必要です。
早期発見と予防の重要性:
歯科医師として、口腔内の感染源を早期に発見し、適切な治療を行うことが敗血症の予防につながります。感染の兆候を見逃さず、必要に応じて速やかに医科との連携を図ることが重要です。
敗血症の予防には、患者の全身状態を考慮しながら、適切な感染管理と治療計画を立てることが必要です。また、術後管理や患者教育を通じて、感染リスクを最小限に抑える努力が求められます。