睡眠時ブラキシズム対策

 

こんにちは、とみざわ駅前歯科、歯科医師の大島です。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
今回も睡眠時ブラキシズムについて解説させていただければと思います。

睡眠時ブラキシズムですが、診断方法として睡眠科にて測定器を用いて行うのが確実ですが、もっと簡単に判断する方法はないのかと思います。
みなさんでも判断しやすいのは、以前の記事で解説したグラインディングと呼ばれる睡眠時ブラキシズムで、横に大きく動かす顎の動きなので、大きな音が出ます。
タッピング運動もカチカチと音がなるので、この2つはご自身で自覚されたり、ご家族からの指摘もあるので、判断しやすいと思います。
問題は、クレンチング運動の音が出ない噛みしめる動きの場合は、前述の音による診断ができないので、他の判断材料が必要になってきます。
判断材料としては、以下のものが挙げられます。

・歯がすり減って、噛む面の表面が平らになっていたり、歯と歯茎の境目の歯面が削れていたりする。

・顎の筋肉が、朝起きたときに一時的に痛かったり、疲労感があったりする。

・朝起きた時、一時的に頭痛がする。

・朝起きた時に、口が開けづらいことがよくある。

以上のものが何個か当てはまる場合は、睡眠時ブラキシズムを疑った方が良いでしょう。

 

さて、睡眠ブラキシズムを行っていることがわかったところで、どのように治療を行っていけば良いのでしょうか。
我々歯科医師がブラキシズムの患者さんにお作りしているマウスピースですが、ナイトガードと呼ばれます。
ナイトガードは、ブラキシズムによって歯や顎にかかる負担を緩衝し、歯や顎へのダメージを減らすことによって、痛みや不快感をとるようなものになっています。
そのため、ナイトガードを装着したからといって、根本的なブラキシズムが無くなるわけではないので、あくまで対症療法になります。
やはり、根本的な睡眠時ブラキシズムの原因除去療法も必要になってきます。

以前の記事で、睡眠時ブラキシズムには1次性と2次性のものがあると解説しましたが、原因除去療法ではまずは2次性の原因除去からアプローチしていきます。
2次性のブラキシズムは他の疾患に付随して起こりますので、その元となる疾患の治療が、睡眠時ブラキシズムの治療にもつながります。
そのため、睡眠時無呼吸症候群などの患者さんでは、歯科医師は医科と連携し、治療にあたるのがとても重要になってきます。
特に疾患もなく、原発的に起こる1次性のブラキシズムに対する治療法では、現在は自己暗示療法が有効であるといわれています。
次の日に大事な用事があって、「○時に起きなければならない」と自分に言い聞かせて寝ると、本当にその時間に起きれるといった現象と同じように、ブラキシズムをしないよう、自分に言い聞かせるという方法です。
やり方は簡単で、夜寝る前に、メモ用紙などの紙に「もし、食いしばったなら、歯と歯を離す」と書いて寝るだけです。
ほんとにそんなことでブラキシズムが減るの?とは疑問に感じると思いますが、とても簡単な方法なので、やってみる価値はあると思います。