こんにちは、とみざわ駅前歯科の大島です。
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
前回の続きになります。
前回紹介した論文では、2日に1回の口腔清掃で歯肉の健康を維持することができたと結論付けています。
しかし、この論文の前提条件として、まず比較的歯の知識を有している歯学部生を対象にしているという点、衛生士が口腔清掃後に完全にプラークを除去できているか毎回チェックをしていたという点があり、とても一般の方のブラッシングでは、再現性が低い結果となっています。
2016年にDeFreitasの論文で、対象を医療関係者を除く大学生という条件に設定しなおして研究をおこなっております。
こちらの研究では、口腔清掃を1日に2回、1日に1回、2日に1回を行った群で30日後にプラーク指数と歯肉炎指数を評価しました。
この研究では、2回に1回の口腔清掃だけでは、プラーク指数、歯肉炎指数が有意に上昇する結果が得られました。
つまり、この研究から言えることは、被検者自身の口腔清掃だけでは、2日に1回では不十分ということになります。
この紹介した2つの研究から言えることは、
・歯磨きをきちんと行えば歯肉炎を予防できる
・歯肉の健康を保つために、最低1日に1回は歯磨きを行う必要がある
ということになります。
1日2回、または3回磨く方が多いと思いますが、この忙しい現代社会を生きる皆さまは、時間に追われて1回1回の歯磨きが適当になっていることもあるかと思います。
完璧に歯ブラシが出来ている場合は2日に1回の歯ブラシでも健康な歯肉を維持できることから、回数よりもむしろ1日1回でも完璧なブラッシングを心がけた方が、歯周病予防には効果的であるといえます。
次は歯ブラシの毛の硬さはどれくらいが良いのか、また交換頻度はどのくらいが良いのかについて解説した論文を紹介します。
2014年にSchmicklerが行った、96人の健康な有歯顎者を対象にした研究で、被検者は歯ブラシの交換の有無、歯ブラシの種類によって8つのグループに割り振られました。その結果、歯ブラシによるプラークの除去効率は交換なしのグループで4か月を過ぎるころから明らかになりました。
歯ブラシの毛先の硬さ、ヘッドの大きさに関しては、特に有意差は認められないという結果が得られました。
ですので、歯ブラシは4か月に一回交換歯し、歯ブラシの種類に関しては、自分が一番使いやすいものを使っていただくのが良いのではないでしょうか。
次の記事では、フロスや歯磨剤などの歯面清掃の補助となる道具について説明していきたいと思います。
次回へ続きます。