こどもの歯が抜けて生え変わるときに何が起こっているの?その①

 

 

 

こんにちは、とみざわ駅前歯科、歯科医師の大島です。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

こどもの歯がおとなの歯に生え変わるとき、だんだんグラグラ揺れてきて、自然にポロッと抜けることもあれば、抜ける前におとなの歯が顔を出してきたり、不思議ですよね。

今回は、こどもの歯の抜ける過程で、生理的に何が起こっているのかを解説していきたいと思います。

それではいってみましょう。

 

 

ヒトの歯並びは、こどもの歯(以下乳歯)だけの歯並びである乳歯列期、乳歯とおとなの歯(以下永久歯)が混在する混合歯列期、乳歯から永久歯へ交換が終了した永久歯列期へ移行していきます。

乳歯は全部で20本、永久歯は親知らずも含めると32本あります。

こどもの顎は成人に比べて小さく、咬む力弱いため、歯の大きさも小さく、本数も少ない乳歯列が適しています。

成人になると共に、顎の骨が成長、発育し、咬む力も強くなってきますが、歯は一度形成されると、大きくなることはありません。

そのため、成長して大きくなった顎に対して、乳歯では小さすぎるため、より大型で数が多い永久歯へ、交換されることになります。

乳歯が生えていたスペースには、前歯、犬歯、小臼歯と呼ばれる歯にそれぞれ交換され(代生歯)、さらに小臼歯の後ろには大臼歯と呼ばれる歯が生えてきます(加生歯)。

永久歯列は、代生歯が20本、加生歯が親知らずを含めて12本、合計32本になります。

 

この乳歯と永久歯の交換に際して、乳歯の根は徐々に吸収されていって、残った歯の頭の部分は自然に抜け落ちて、乳歯列は消失していきます。乳歯の脱落は、1番手前の前歯(乳切歯)から6~7歳くらいの時に始まり、7~8歳でその隣の前歯、9~12歳で犬歯(乳犬歯)、奥歯(乳臼歯)と順番に起こってきます。

 

前歯では、形成中の永久歯は、乳歯の歯根より少し舌側、あるいは口蓋側に位置します。

このような乳歯と永久歯の位置関係から、歯根の吸収は、乳切歯と乳犬歯では舌側あるいは口蓋側の方から進んでいきます。

そのため、抜けた乳歯を見てみると、唇側に歯根の残りがくっついていたり、乳歯が抜ける前に永久歯の頭が出てきた場合、乳歯より舌側に頭が出てくることになります。

 

一方、乳臼歯では永久歯の成長に伴って、歯根の中心から吸収が始まります。

臼歯の歯根は枝分かれして3根または4根ありますので、その枝分かれの中心部(根分岐部)から始まることになります。

 

次回へ続きます。