妊娠中の歯の治療について①

こんにちは!仙台市太白区大野田とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

 

今回の『歯の豆知識』、妊娠中の歯の治療について説明させていただきます。

妊娠中というと歯の治療などは受けられないと思っている方もいるのではないでしょうか?

結論から言えば時期を選ぶことで出来ます!

わかりやすく言えば歯科治療は『妊娠安定期』に行いましょうということになります。

妊娠中期(妊娠5ヶ月から7ヶ月)まではある程度麻酔などを使っての治療も可能です。

ただ妊娠初期は胎児の組織発生・発育の段階的には非常に敏感で、不安定な時期でもありどうしても必要な応急処置のみになります。

また、妊娠後期は体勢の辛さもあるので応急処置にとどめます。

具体的にどのような治療ができるのか?

①麻酔
歯科医院で使う麻酔は局所麻酔ですので、胎盤を通じて胎児に届くことはありません。
削って詰めるといった通常の歯科治療は全く問題なく行うことができます。

※全身疾患によっては麻酔を使い分けて別な種類のものを用いることがあるのですが、入っている成分により子宮の収縮作用があるのでその麻酔は使えません。

②抜歯

抜歯は出来ないわけではありません。
前述のように麻酔が使えますので、処置は行なえます。
ただ、親知らずの抜歯のような大きなものになると、術後に鎮痛剤や抗生剤が必要になります。
妊娠30週までは使える鎮痛剤があります。(これも種類を選びます)
ただ、それ以降は胎児の動脈管閉鎖につながる恐れがあり、使える鎮痛剤がありません。
また、抗生剤は胎盤を通じて胎児へ移行します。

以上を考慮しますと、侵襲の小さな抜歯は行なえます。
侵襲の大きな抜歯はよほどの理由がない限り、控えたほうが無難といえます。

③レントゲン

レントゲン撮影ですが今は撮影したフィルムを現像する方式ではなく、デジタル処理で画像に表示することができるようになりました。
その結果、撮影に使うX線の被曝量は非常に少なくなりました。
さらに、お腹周りを中心に防護エプロンを使ってもらいますので、被爆の影響は無視できるレベルまで減らせます。
一回の撮影で全体を確認できるレントゲンもありますので、治療に必要かどうか、メリットのほうが大きいようであればレントゲン撮影は行なえます。

ちなみに、レントゲンの防護エプロンですが、経験されたことのある方も多いと思いますがかなり重たいです。
鉛入りです。

次回、妊娠中の歯周治療について説明させていただきます。