歯科治療と全身疾患②

こんにちは!
仙台市太白区大野田とみざわ駅前歯科、院長の相澤です。

歯の豆知識ですが、今回も「歯科治療と全身疾患」について説明させていただきます。

①虚血性心疾患

心臓に栄養や酸素を供給する血管(冠動脈)の病気により、心臓の筋肉に酸素が十分に行き渡らなくなった疾患を「虚血性心疾患」と呼びます。

心筋梗塞は、冠動脈が完全に塞がってしまい、心筋(心臓の筋肉)が壊死していまうものです。
狭心症は一過性の心筋虚血が起こったものです。
ちなみに、この虚血性心疾患は高血圧症や糖尿病、肥満、喫煙などが発症リスクとして考えられています。

歯科治療は、狭心症の発作後、1ヶ月間、心筋梗塞の発作後は6ヶ月間は応急処置のみの対応になります。
麻酔を使ったり、痛みのストレスを受けるような処置は避けるという意味になります。

また、発作後、ある程度の期間が空いても、注意すべきことは多いです。

まず、歯科治療による緊張などで心臓発作が起きることがあるということです。
痛みや不安、緊張で心拍数や血圧の変動が起きるためです。

ですので、極力心電図やパルスオキシメーター、血圧計などでモニタしながらの治療が望ましいです。

②不整脈
不整脈とは脈拍のリズムが乱れた状態です。

心臓弁膜症や虚血性心疾患が原因の場合もありますが、多くは原因が不明であり、服用薬による治療が行われます。
抗不整脈薬、抗凝固療法薬、抗血小板薬が用いられます。
著しい徐脈性不整脈の場合は、ペースメーカを植え込む治療が必要になります。

歯科治療においては服用している薬により、血が止まりにくくなります。
そのため、抜歯が困難になることがあります。
以前はそのような方の場合、抜歯前に服用している薬を休薬してもらうことがありました。
ただ、血栓などが生じるリスクが高まりますので、安易に休薬することはありません。
しっかり局所止血処置(圧迫、縫合など)を行うことで、30分以内に止血されることがほとんどです。
(まれに、24時間後に再び出血することもあるそうです)

また、治療でも用いる局所麻酔薬に含まれる血管収縮薬によって不整脈が誘発されることがあります。

ペースメーカ(植込み型除細動器)を使用されている方は、歯科治療で使用する電気機器と干渉して誤作動を生じることがあるため、注意が必要になります。

まずは、循環器と関連する、注意事項を述べました。
もちろん、薬、病状などで当てはまらない場合でも、不安を感じるような場合は遠慮なく相談して下さい。

次回以降、脳の疾患から説明します。