CAMBRA〜受講前の予習編PART2〜

こんにちは♫仙台市太白区大野田のとみざわ駅前歯科サポーターの西田でっす✌️

 

前回、すこーしお伝えした『CAMBRA』リスク評価に基づくう蝕管理について、さらに学びを深めていきたいと思います✨

3月にアメリカ研修を予定しておりましたが、昨今のコロナウイルスの影響で延期となりましたので、この機会にもう少し深く予習していきたいと思います♪

CAMBRA  「う蝕」は、歯面上に存在する細菌群のアンバランス(バランスの喪失:不均衡)によって生じる

という考えです。

このアンバランスとは・・・個人の口腔環境、食習慣、口腔清掃習慣などによって起こるもの。

虫歯の原因となる細菌だけではなく、口腔環境を脅やかす『侵襲』と『防御因子』のアンバランスを是正することで「う蝕」の発症率は抑制することができると考えられています。

 

青葉会では、一生を通して口腔内の健康を維持・増進し、生涯健康的で幸せな人生を送るお手伝いをしたいと考えています。だからこそ、ひとりひとりのリスクを知り、その方にあった予防処置により、歯科医院側、患者さん側の双方で協力しながら健康を守っていくという、このCAMBRAの考え方は大切なものなのです。

 

まず、『細菌性バイオフィルムのバランスの喪失』について プラーク(歯垢)の観点から

歯面に付着するバイオフィルムは、デンタルプラーク(歯垢)と呼ばれる700〜800種以上の多種多様な細菌からなるコミュニティによって構成されます。(バイオフィルムの破壊と除去は、歯科の本質と言っても過言ではないほど大切なキーワードです。)

プラークの中の細菌は非常に多岐にわたりますが、面白いことに

・健康な人のプラーク中には、120種類ほどの細菌

・う蝕リスクの高い人のプラーク中には、健康な人よりも少ない種類の細菌しかいないことがある

これは、リスクの高い人の歯面に付着するプラークの量は多いものの、プラークまたはバイオフィルム内は低いpH(酸性)の環境であるために、健康な人のプラーク中ほど、多種多様な細菌が生き残るには適していない環境だからなのだそうです。

リスクの高い人の方が、持っている細菌の種類が少ないだなんて面白いですよね!

 

さらにプラークの観点からう蝕のリスク因子について・・・ プラークの「質」と「量」

「質」→ う蝕病原性細菌の密度が高ければ、う蝕発症のリスクは高まる

「量」→ 蓄積量、付着量が多ければ、う蝕発症のリスクは高まる

バイオフィルム内の細菌のタイプは、飲食物、口腔内のpH、歯面の状態(歯の表面が粗造だと微生物が付着しやすくなる)に影響されます。

 

それでは、セルフチェック!!

ブラッシングをしてから、次のブラッシングまでの間に、目に見えるほどのプラークが付いていることが確認できる?

⇨ う蝕活動性の高いバイオフィルムの存在を示していて、細菌の増殖も非常に早いと考えられます。

プラークの蓄積程度を測定する方法として、プラークインデックス(プラーク指標)を用いて、歯面に付着したプラークを染め出し液を使って確認する方法があります。きっと、皆さんも経験があるのではないでしょうか? 歯科衛生士が「赤く色が付いているところに汚れが残っていますよー」と鏡を見せられたことはありませんか。全ての歯面に対して、どれだけ染まったか?をパーセンテージで出します。

他には、う蝕病原性細菌がプラーク中にあるかを特定するために、ATPスワプテスト(CariScreen)や細菌の培養テストがあります。特に、ATPスワプテストは、下の前歯の裏側を綿棒でなぞるだけで結果を1分程度で測定できるもので、CAMBRAで多く用いられる指標です。ATPの濃度によって、プラーク中の細菌が多量であること、う蝕病原性細菌が多量であることがわかるのです。

 

まだまだ、CAMBRAの具体的な予防処置にはたどりつきませんね〜

う蝕(虫歯)って奥が深い!!次回は、リスク因子のひとつ「ドライマウス」や「口腔内のpHについて」を深堀していきます🤗

 

この内容は、「BARANCE:患者と歯科医師のためのう蝕管理ガイド」を参考にしています。